Sevenseas Traveller

青いだけが海じゃない

船のはなし

とうとうやってきた乗船日。。

今乗船地に向け移動中です。新幹線の中でこれを書いています。と、言うよりか書きました。 やっぱり乗船日が近づくにつれ、気持ちが憂鬱になってきます。 結婚した当初や子供が生まれた時などは、乗船日が来ると後ろ髪引かれまくりで、マジで仕事を辞めよう…

バルカー乗船記 その30(2018年7月28-31日:乗船69日目)船は赤道を越え、オーストラリアへ

7月28日 昨日の大はしゃぎのダメージは筋肉痛をのぞいてあまり感じない。他の乗組員も同じ様な感じだ。きちんと自己コントロールができているに違いない。 本船は本日赤道を通過し、南半球に入った。そのせいか、天気がすばらしい。 船長、もしくは航海士…

バルカー乗船記 その29(2018年7月27日:乗船65日目)遊ぶぞ、泳ぐぞ、待ちに待った船内パーティー!

そうです、今日は月に一度の船内パーティーの日だ! 雲が若干多いが、時より晴れ間も出ているので、問題なさそうだ。 時折船を覆い尽くす雲 今日は、いつもの伝統あるデッキビリヤードではない。若手が趣向を凝らし、今回はプールパーティに Tug of War だ。…

嗚呼、愛しの氷川丸。。(後編)

ぜひ近くで見たかった山下公園に係留中の氷川丸、これまで近くで見るチャンスがありませんでしたが、今回ようやく見に行ける機会ができました。 昨日の午後、鹿時間的余裕がなく、駆け足的な見学となりましたがご紹介します。 カモメちゃんたちに見送られな…

嗚呼、愛しの氷川丸。。 (前編)

ついに召集令状が正式に来ました。。(涙) てなことで、乗船前のブリーフィングを受けるために東京にやって来ました。 次の船に乗船するために、日本政府が発給する証書を最寄りの運輸局で取得しなければならないと言うことで、ついでに横浜にある関東運輸…

バルカー乗船記 その28(2018年7月24日-26日:乗船64日目)フィリピン海いいね!だって時化ないんだもん

7月24日 機関長からすると、船の機器が順調に動き、主機関がプロペラを回し、船が目的地に向かって順調に進んでいる状況を常に維持するのが主業務だ。 逆に言うと、特に大きなトラブルがなければ船を運航するために必要な定期整備を滞りなく実施さえして…

バルカー乗船記 その27(2018年7月20日-23日:乗船61日目)同じ航海2周目は単調だな。。

7月20日 本船は昨日京唐港を出港し、再びオーストラリアのポートヘッドランドに向け、順調に進んでいる。 中国沿岸なのにこんなに天気がいいのは珍しい。 着岸舷側は溢れた鉄鉱石でまっ茶色だ。 鉄鉱石をあげて、足が軽くなったので、久々に船首のバルバ…

洋上ですれ違う外国航路の船たち その3(2011年10月 シンガポール)

シンガポール駐在時、錨地に来た船の訪船によく行った。 錨地まではサービスボートを手配して行くが、片道30分から1時間くらいかかる。 もう船だらけ チャンギ空港に着陸する飛行機が見える、すぐそこです 大きなコンテナ船が見えた。MAERSK LINEのコンテ…

バルカー乗船記その25(2018年7月8日-15日:乗船53日目)ん?中国揚げ地に着いたけど5日間の沖待ちか。。

7月8日 本船は東シナ海から黄海に入った。中国特有のどんよりした天気だ。 いつも通り甲板上を歩いていると、ん?デッキ上に小魚だ。昨日青波が船首部分に上がっていたので、その時に打ち上げられたのだろう。 中国近海はとにかく漁船の数が半端ない。 ちょ…

バルカー乗船記その24(2018年7月7日:乗船45日目)バシー海峡を抜け、東シナ海へ あぶねーじゃねーか!

7月5日 本船は台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡を抜け、台湾まで進んできた。バシー海峡では第2次世界大戦時に、アメリカ軍の潜水艦によってたくさんの輸送船が沈められており、「魔の海峡」呼ばれていたそうだ。通峡時には手を合わせている。 昨日の…

外国航路の船乗りになるためには? 外国航路の船に乗るための免状を取得するまでの巻 

皆さんは船乗りに興味がありますか? 建造中のQueen MaryII (フランスの造船所にて2003年撮影) 今回は船乗りになるまでの道のりをご説明したいと思います。 基本的にこれまでは外国航路の大型船貨物船の船乗りになるためには商船系の学校を卒業しなければな…

バルカー乗船記 その23(2018年7月4日:乗船42日目)地球さまに威嚇される

7月3日 船は昨日シブツ海峡を通過し、スールー海の設定された危険海域を抜けた。今日も順調にスールー海を航行中だが、もう安全海域だ。 遠くに島々が見える 前航もそうだったが、流木が今回も多い。大きな浮遊物だと避けなければならない。最悪、水面下にあ…

バルカー乗船記その22(2018年7月2日 乗船40日目)スールー海に入ったが、海賊出るのか?

7月1日 本船は順調にジャワ海を進んでいく。めまぐるしく変わる天候や。付近を航行する大型船の動向に注意をしながら進んで行った。午後セルベス海に入る。 船上で機器に異常がなければルーティン作業、例えば燃料ラインのフィルター掃除や、廃油の移送、ま…

心に残った1泊2日の呉への旅 最終日(大和ミュージアム)

1泊2日の最終日の目的地はもちろん呉にある大和ミュージアムだ。自分は広島在住なので数回行っているが、他のメンバーは初めてだ。しかし何回来てもいい所だ。 ホテルをチェックアウトして大和ミュージアムに向かう。歩いて10分くらいだが、ついでに昨晩…

心に残った1泊2日の呉への旅 初日午後(海上自衛隊第一術科学校)

一行は次に呉の沖合にある江田島の海上自衛隊第一術科学校へ向かった。江田島までは橋が繋がっているので呉から倉橋島を経由して江田島まで行ける。 自分がドライバーなので道中の写真は撮れなかったが、風光明媚な土地で、海岸線を通る道を進んで行った。多…

心に強く残った1泊2日の呉への旅 初日午前(てつのくじら館)

なぜか以前の部署のメンバーの自宅訪問ツアーを始めたみたいで、昨年の忘年会の時に決まったらしい。もちろん自分は乗船中だった。 メンバーには時々開催されるイベントのメールを送信しているので自分のところにもお誘いが来たが、忘年会は残念ながら欠席の…

バルカー乗船記 その20(2018年6月29日:乗船38日目)積荷満載再び中国に向け出港、ロンボク海峡を通過

ポートヘッドランドの罪にも無事終了し、6月27日早朝にまた中国に向け出港した本日も快晴だ。空がものすごく綺麗な青色だった。 主機関も元気に動いてくれている。 主機関の上段 荷役中に溢れた鉄鉱石のカスで、甲板上が赤茶色になっている。今日は出航後の…

ばうのばうすらすたー?(バウスラスター)

冗談ではありません、バウにバウスラスターです。 バウ(Bow)とは船用語で船首のことを表します。ちなみに船尾はスタン(Stren)と言います。バルバスバウにもこの”バウ”という単語がついています。 なので、バウ(船首)にあるスラスター(推力を発生させ…

洋上ですれ違う外国航路の船たち その2(2011年8月 シンガポール)

仕事の関係上6年間シンガポールに駐在していたが、その時は現場に出ることが多く、色々な船を見ることが出来た。シンガポール錨地に船がいる場合、通船で船に行くことになるが錨地にいる船の間を縫って走るので大型船を近くで見ることができる。対岸にはMAE…

イギリス人の友人からもらった古い絵はがきの話

もうかれこれ20年前の話になる。当時は客船に乗組員として乗船していた。ある日船の修理で便乗していたイギリス人の技師と仲良くなり、彼がある日「これ、君にあげるよ。日本海運の歴史だから。ロンドンの骨董商に置いてあったんだ。」と、5枚の古い絵はが…

嗚呼、愛しの14,000 TEU 大型コンテナ船。。。

本日は広島市内の病院に定期検査結果を聞きに行ったついでに、呉市に係留してある超大型コンテナ船を見に行ってきた。ジャパン マリンユナイテッド呉工場で連続建造中の14,000 TEU 大型コンテナ船だ。 TEUとは20フィートコンテナ1個分を1TEUというので、こ…

船のハナ(?)について(船首にある出っ張り:バルバスバウ)

たくさんの船にはバルバスバウと呼ばれる球状船首が付いている。バルバスバウの形状は船の種類や大きさで異なる。 この役割は、船が進む時に波が生じるが、これが抵抗になっているのバルバスバウが生み出す波(船首よりも前にあるので、船体で発生する波より…