Sevenseas Traveller

青いだけが海じゃない

外国航路の船乗りになるためには? 外国航路の船に乗るための免状を取得するまでの巻 

皆さんは船乗りに興味がありますか?

f:id:Blueshark3270:20190224232651j:plain

建造中のQueen MaryII (フランスの造船所にて2003年撮影)

 

今回は船乗りになるまでの道のりをご説明したいと思います。 

 

基本的にこれまでは外国航路の大型船貨物船の船乗りになるためには商船系の学校を卒業しなければなれません。商船系の学校とは高校を卒業して入学する商船大学、中学を卒業して入学する商船高等専門学校です。

 

商船大学は東京海洋大学(旧東京商船大学)と、神戸大学(旧神戸商船大学)の2校、商船高等専門学校は富山、鳥羽、広島、弓削、大島の5校があります。

 

上記の学校以外に、水産大学校や一般大学の水産学部の卒業すると大型船舶に乗るための国家資格を受けることができますが、以前は大手海運会社では旧商船大学、または商船高等専門学校の卒業生しか採用していませんでした。

 

現在では水産大学校や一般大学の水産学部卒業生なども採用しているほか、一般大学の水産系以外の一般学部の卒業生にも門戸を開いています。

 

大型船舶に乗り込むためには国家資格が必要で、この国家資格を受験するためには乗船履歴が必要です。そのため、商船系、水産系学部では授業に乗船実習があるため、卒業時には乗船履歴が付いています。

 

国家資格を取得するためには、筆記試験、および口述試験の2種類に合格して初めて国家資格(海技士免状)が取得できます。商船系、水産系の卒業生は大型船舶に乗り込むための乗船履歴がついている他、三級海技士の筆記試験が免除されます。したがって、口述試験を受験し、合格すれば三級海技士の免許がもらえます。

 

一方、一般大学の海事系学部以外の学部を卒業した人は、上記の特典はありません。なので、入社した後に海技大学校で座学を受けながら、航海訓練所練習船や会社の船で乗船実習を行なっていきます。ちなみに、この勉強期間中は会社からちゃんと給料が出ます。

 

そうして定められたカリキュラムをクリアすると我々と同じように三級海技士試験を受験することができるようになります。

 

以前は海運業界に女性海上職員(航海士、機関士)などいませんでしたが、現在では女性海上職員も海上で頑張っています。

 

こうして出身校は違えど、三級海技士免状を取得すると外国航路の船に三等航海士、三等機関士として乗船することができるようになります。

 

やはり海に魅力を感じる方もいらっしゃる様で、一度就職や進学したものの、船に乗りたいので学校に入り直した人なども結構いらっしゃいます。

 

船乗りの魅力として、勤務と休暇できっちりと分断されるので、メリハリがあり、休暇をまとめて撮ることができる、給与が結構良いというのが魅力として捕らえられている様です。

 

ところが、「彼女ができた」、「彼氏ができた」問題で最初の分岐点(?)が訪れます。長期で家を留守にするスタイルについて行けるかどうかです。これで仕方なくやめていく人々もいます。

 

しかし、歳を重ねていくと「亭主元気で留守がいい」のが当たり前(?)で、いい歳した旦那が仕事をせず家にずっといると妻はいい顔しないのは世の常の様です。。。

なので、若手には悪いことだけでなく、船乗りとしていいところも人生の先輩として説明していますが、どう伝わっているのでしょうか・・・

 

今回は外国航路の船に乗るための道のりについてご説明させていただきました。文字だけですいません。