船のハナ(?)について(船首にある出っ張り:バルバスバウ)
たくさんの船にはバルバスバウと呼ばれる球状船首が付いている。バルバスバウの形状は船の種類や大きさで異なる。
この役割は、船が進む時に波が生じるが、これが抵抗になっているのバルバスバウが生み出す波(船首よりも前にあるので、船体で発生する波より早く波を作る。)とが互いに打ち消し合うことで抵抗を少なくするという代物である。
コンテナ船や自動車船など常用速力の早い船のバルバスバウ形状はスマートで、巨大タンカーや鉱石運搬船などのずんぐりむっくり船体で速力の遅い船はドデーンとしている様である。
なので、このバルバスバウが海中に沈んていないと逆に抵抗になるが、船は空船状態が必ずあり、例えば原油タンカーだと日本で原油を揚げてからペルシャ湾内の積地までの間はずっとバルバスバウは海面に顔をだしっぱなしである。
ところが昨年乗船した自動車運搬船にはバルバスバウと呼ばれる突起物はなく、浮かしながらの流線型をした船首をしていた。こちらの方が抵抗がなさそうな感じであるが、運航データの分析は未だに出来ていない。
本題はバルバスバウによる船体抵抗の話ではなく、バルバスバウが海を切り裂きながら進んでいくそのダイナミックなアクションが好きで、一日数回の船内巡検で必ず船首には行き、船首海面状態を観察する。素晴らしい。
上記写真は2005年、アラビア海を日本に向け航行中に撮影したもので、当時は大馬力の主機(船の動力となる大型エンジン)を全開で運転していた頃で、確か最大出力が90,000馬力ぐらいあったかと思う。燃費も最大出力で航行すると1日220トンの重油を消費、当時のレートで1日約1,000万円くらいの燃料を消費していたが、まあその迫力は豪快だった。現在は燃料節約マインドが浸透し、減速運転が定常化したのでこのような光景を見ることはなくなった。
まあ、どうでも良い話でした。。。