バルカー乗船記その24(2018年7月7日:乗船45日目)バシー海峡を抜け、東シナ海へ あぶねーじゃねーか!
7月5日
本船は台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡を抜け、台湾まで進んできた。バシー海峡では第2次世界大戦時に、アメリカ軍の潜水艦によってたくさんの輸送船が沈められており、「魔の海峡」呼ばれていたそうだ。通峡時には手を合わせている。
昨日の地球さまの威嚇通り、天候が冴えない。海も荒れ、風も強く、雲も厚い。
先日からサビ打ちをしていた係船機のペン塗りが終了した。見た目は綺麗でも、サビ打ちを丁寧にしなければ、すぐサビが発生してしまう。
1隻のバルカーが後方から迫ってくる。バシー海峡は東アジアと西アジアを結ぶ交通の要所で船が多数航行している。
台湾沖までやってきた。携帯の電波が繋がるぞ!
与那国島の近くも航行するので、その時には日本の携帯電波が入るものの、2時間から3時間くらいしか使用できない。
今日の昼ごはんは冷やし中華に秋刀魚?からしがあればなんとかなる。マヨネーズは普通使わないよね。
本船の右舷前方にいる船は液化天然ガス運搬船、通称LNG船(Liquid Natural Gas Tanker)だ。基本的にLNG船はバルカーより船速が早い。
この船は本船の後方から左舷側を追い越し、それから舵を急に右に切って、本船の前方を横切っていった。
今日本で問題となっているあおり運転の海バージョンの様な操船だった。
「あぶねーじゃねーか!この野郎!」と叫びたかった。
まあいいや、今日の晩ごはんはコロッケです!
コロッケ、まいうー!
7月6日
今日は昨日より海象は落ち着いているが、すっきりとしない天気だ。
船首にたくさんの海鳥がいる。
かなり接近して飛行するので、こちらがたじろぐ。それにしても写真の腕前がへぽこなのでシャッターチャンスが勿体無い。この鳥はカツオドリですよね?
機関室では発電機の定期点検を実施中だ。発電機はディーゼルエンジンで駆動される。こまめな点検、確実な整備が事故や故障を未然に防ぐ。
甲板上ではフェアリーダーの整備が行われている。フェアリーダーとは船を岸壁につなぎとめておくホーサー(太いロープ)を船から外へ、また外から船へ引っ張る時のガイドで、ホーサーの動きに合わせて回転する様になっている。
7月7日
本船は中国の上海沖まで到達した。今回の揚げ地は渤海内の京唐港(Jingtang)だとのこと。この港は中国の天津の近くにある港ある。渤海は黄海のさらに上に位置する海である。
船は順調に進んで行く。
海象状態が悪く、白波が船首部に打ち上がっている。
今日の昼ごはんは3色そぼろ丼と焼き魚だ。そぼろ丼はよしとしても、この焼き魚はやけに色が黒い。そういえば野菜があまりでなくなっている。
新鮮野菜は日持ちがしないのでしょうがない。ああ、新鮮な野菜サラダが食べたいな。
午後、本船の後方を他船が横切っていったが、かなり近い距離だ。またもや挑発しているのか?
本船の航跡を横切っていった。てかこんな天気の中プール入っとるやないかーい!
まだ寒くないからいいけど。
晩ごはんに前回教えたお好み焼き?が出た!
食べてみると・・・オレンジ色で少し甘い。チーフコックに聞いてみるとかぼちゃを使ったとの事だった。そういえばかぼちゃの味噌汁がよく出るくらいかぼちゃを使う傾向があったか。まあ食べれるからいいか。
もう1つはシチューの様だが別の料理みたいになっていた・・・(涙)
3日間で進んだ距離:942マイル(1,774.6キロ)
平均速力 :13.1ノット(24.2キロ)