バルカー乗船記その11(2018年6月乗船19日目)エンジンが冷えない(オーバーヒート?)
ようやく錨地に到着し、一段落した。少しもやが掛かっているが天気は悪くない。海水温度もまだ高くなく、中国北部はまだ涼しい。
オーストラリアのポートヘッドランドから、ここ中国の青島沖まで約3,600マイル(6,667km)を約13日間かけて走ってきた。
船が止まっているときは機関室の機器がほぼ止まっているので、このタイミングでしかできない整備作業を一気にやってしまおう。
スールー海に入域した時に主機関の出力を全開にしたが、主機関の潤滑油温度がジワジワと上がっていた。上がりすぎると主機関保護のため、トリップ(緊急停止)してしまう。危険海域の中でトリップしたら目も当てられない状況になりかねないので、ヒヤヒヤした。
清水冷却器は2台ついており、海水温度が32℃まで上がっても冷却清水温度が36℃を保つように設計されているが、汚れのためか42℃まで上昇した。海水側のつまりが予想されるので海水パイプを取り外し内部を点検した。
ハワッ!フジツボが付着している。。。(中身はなく、殻だけ)
海洋生物が付着しないように海水取り入れ口から塩素を注入しているので、基本海洋生物が海水ラインで成長することはないのだが、何かおかしい。もしかすると清水冷却器も汚れている可能性がある。
錨地にいる間はいつ動き出すかわからないので、清水冷却器の掃除は時間がかかるためできない。そのため、海水パイプの掃除のみを実施した。着岸後は荷役終了するまでは基本動かないので、着岸後に清水冷却器の掃除をすることとした。
さあて、腹ごしらえと。本船のチーフコックは人は非常に良いが、日本食の腕はもう少しだ。自分から日本食を教えて教育して行くしかない。
なんだかんだで、結局錨地には5日間滞在した。この間にあらかたの予定整備作業は終了することができた。この5日間は霧が出たり晴れたりと忙しい天気たっだが海象状態が穏やかだったのは助かった。
さあて、明日は着岸だ。上陸できるかな?