バルカー乗船記その18(6月24日:乗船33日目)ポートヘッドランドに到着するけど、えっ?プール入るの?
6月23日
昨日無事アロール海峡を抜けた。
本船は一路ポートヘッドランドに向け、インド洋を航行中だ。
巡検中に操舵機室入口の配線がむき出しになっているのを発見した。機関部に直してもらおう。
同航船が本船の斜め後ろにいる。あっちの方が少し速力が早い。車のレースではないが本船の方が遅いとちょっと悔しい。まあ、向こうの方が燃料をたくさん焚いているだろうし、良しとしよう。
おっ、もう昼か。。。
このチーフコックのスープは基本的に塩っぱい。高血圧気味なので余計に気になる。
ん?昨日プールを出したから、今日はプール開きだって?
おいおい、嘘だろ。オーストラリアは冬だぞ。しかし海水温度を見たら30℃、機関室温度に至っては42℃もあるではないか。
ということで、仕事を早めに切り上げてプールに入ったのでした。
ははは、カメラに水滴が付いた状態で撮った太陽がおかしい。
天気はそんなに良くないが、あまり寒くない。全然プールに入れる外気温度だ。
ある乗組員がイマーションスーツを来て浮いてみたいと言って来た。イマーションスーツとは0℃の海水中でも6時間の保温が可能な全身を包むスーツで、国際条約により1名に1個行き渡るように本船に配置しなければならないことになっている。救命艇などで退船する場合は救命胴衣で十分だが、海上に脱出しなければならない場合はこれが有効である。海上では海水温度によってはすぐ低体温症になってしまう恐れがある。
テストできて本人も満足していたようだ。
そろそろ夕方だ。プールはこのくらいにしておいて、夕焼けを楽しもう。
おいおい、まだ入っているのか?
もうだいぶん暗くなったよ。風邪を引かないように。
太陽が水平線に完全に沈む瞬間に、緑色の光が水平線上を走る現象”グリーンフラッシュ”を二十数年間の船乗り人生で一度だけ見たことがある。
できればもう一度みたいな。
あちゃー、悪名高いひっつきもっつきカルボナーラが晩ごはんか。。
6月24日
朝から快晴、スカイブルー!ポートヘッドランドまでもうすぐだ。
貨物満載のバルカーとすれ違った。日本に運ぶのかな。お疲れ様です!
と、こんな感じでポートヘッドランドまで美しい空が続いた。
今晩もしくは明日、ようやくポートヘッドランドに到着だ。直接着岸できるか、錨地で沖待ちが入るかは今日中に連絡が来るだろう。
夜中、もしくは早朝にドタバタしそうなので、今日はみんな半どんで休息しておこう。