バルカー乗船記その17(2018年6月22日:乗船31日目)東航路で最難関のアロール海峡を通峡
今日で乗船して1ヶ月が経過した。あっという間の1ヶ月だった気がするが、アロール海峡を通峡するのがちょうど乗船1ヶ月目の今日というのは何か縁起が関係しているのだろうか?
朝から厚い雲に包まれ、もっさりとした天気で、狭いアロール海峡を通峡する前までには晴れてくれると助かる。
アロール海峡はその幅がかなり狭く、仮に反対側から大型船が向かってくるとすれ違えないくらい狭いそうだ。
東航路にて中国からオーストラリア間で最短距離、尚且つ大型船が通行できる航路を選択すると、この海峡を通過するしかないらしい。(少し離路すればいいのにね。)
なので、航海計器を駆使して反航船がいないことを確認して進んでいった。
アルール海峡に近くにつれ、雲が少しずつ減っていき、海峡入口に差し掛かったあたりで雲が晴れ、快晴となった。船橋での見張りも難儀する事はないだろう。
海峡入口の左舷側に茶色い島を確認した。双眼鏡で見ると木1本生えていない山だった。しかし島の周りは綺麗なサンゴ礁で覆われているような感じだった。もちろん人っ子1人いない。
本船正面に陸地が見える。この手前を右にグッと曲がっていかなければならない。
先ほどの海峡入口の島が本船の真横に来た。海峡入口に差し掛かった証拠だ。
ん?島と島を結ぶインドネシアのフェリーだ。群島国家のインドネシア周辺では結構フェリーが走っており、日本の中古フェリーが結構使われていたりする。本船の左舷側から船尾を横切っていった。
海峡はS字カーブとなっている。まず最初の曲がりを右に曲がっていく。
このまま、まっすぐ行くと映画”スピード2”の様になってしまうので、次は左に転舵だ。
動画ではいまいち伝わらないかもしれないが、大型船が大舵を取って曲がる時の迫力はすごいものがある。
アロール海峡を無事に抜け、本船はオーストラリア北部のインド洋に入った。
おっと、昼ごはん。今日は冷やしたぬきうどんをチーフコックに教えたが、真空パックのうどんを間違えて全て冷凍庫に入れていたため、うどんがポロポロに。。。
ま、今までより食べれるか。。
インド洋に入った途端にClear Sky に!
めちゃくちゃ綺麗な空だった。
今日はプールを展張してみた。オーストラリアは冬だが、赤道近辺では十分入れるだろう。明日から使用開始だ。
欧米系の海運会社の船には乗組員の福利厚生のため、プールは船建造時から設計図に入っているそうだ。居住区の設備も本船とは桁違いに良いだろう。
いつ欧米系の会社に追いつくことができるのだろうか。。
今日の晩ごはんは夕日をみながらミニBBQだ。アロール海峡通峡のご褒美ではないが、ビールが最高にうまかった。
ポートヘッドランドまであと2、3日だ。気を抜かずに頑張ろうと思った。