いちご酢作りに挑戦! パート2(ザクロ酢)
前回のいちご酢ですが思いのほか好評でうちの次男も最初は嫌がっていたのが、今では毎日一杯炭酸水で割って飲んでいます。
野球部なので、これで力をつけてくれればと思いますが、そんな効能はないか。。。
炭酸水で割ると、ほんのりいちご味のする酸っぱいソーダですが、少し穀物酢の匂いがするのは時間が経っても変わらない。。
ということで、前回のいちご酢がもう半分くらいになったこともあり、冷蔵庫の中にあった未開封のザクロ酢(どっから手に入れて来たか知りませんが)を使って第2弾いちご酢を作ってみたいと思います。
まずいちごは熊本のさがほのか。え?熊本なのにさが?ネット情報では佐賀県で交配された品種だそうです。
前回と同じく水洗いをしてヘタを取って瓶に入れます。
いちごは前回のものよりやや小粒です。
そして前回同様氷砂糖を250グラム入れます。
そして500グラムのお酢を入れますが、ザクロ酢のボトルがちょうど500グラム。
全部瓶の中に投入して完成です。
ザクロ酢の匂いは穀物酢とあまり変わらない? ザクロ酢に色がついていたので、すでに美味しそうな色をしています。
完成が楽しみです。
てか、血圧下がってるかな。。
バルカー乗船記その17(2018年6月22日:乗船31日目)東航路で最難関のアロール海峡を通峡
今日で乗船して1ヶ月が経過した。あっという間の1ヶ月だった気がするが、アロール海峡を通峡するのがちょうど乗船1ヶ月目の今日というのは何か縁起が関係しているのだろうか?
朝から厚い雲に包まれ、もっさりとした天気で、狭いアロール海峡を通峡する前までには晴れてくれると助かる。
アロール海峡はその幅がかなり狭く、仮に反対側から大型船が向かってくるとすれ違えないくらい狭いそうだ。
東航路にて中国からオーストラリア間で最短距離、尚且つ大型船が通行できる航路を選択すると、この海峡を通過するしかないらしい。(少し離路すればいいのにね。)
なので、航海計器を駆使して反航船がいないことを確認して進んでいった。
アルール海峡に近くにつれ、雲が少しずつ減っていき、海峡入口に差し掛かったあたりで雲が晴れ、快晴となった。船橋での見張りも難儀する事はないだろう。
海峡入口の左舷側に茶色い島を確認した。双眼鏡で見ると木1本生えていない山だった。しかし島の周りは綺麗なサンゴ礁で覆われているような感じだった。もちろん人っ子1人いない。
本船正面に陸地が見える。この手前を右にグッと曲がっていかなければならない。
先ほどの海峡入口の島が本船の真横に来た。海峡入口に差し掛かった証拠だ。
ん?島と島を結ぶインドネシアのフェリーだ。群島国家のインドネシア周辺では結構フェリーが走っており、日本の中古フェリーが結構使われていたりする。本船の左舷側から船尾を横切っていった。
海峡はS字カーブとなっている。まず最初の曲がりを右に曲がっていく。
このまま、まっすぐ行くと映画”スピード2”の様になってしまうので、次は左に転舵だ。
動画ではいまいち伝わらないかもしれないが、大型船が大舵を取って曲がる時の迫力はすごいものがある。
アロール海峡を無事に抜け、本船はオーストラリア北部のインド洋に入った。
おっと、昼ごはん。今日は冷やしたぬきうどんをチーフコックに教えたが、真空パックのうどんを間違えて全て冷凍庫に入れていたため、うどんがポロポロに。。。
ま、今までより食べれるか。。
インド洋に入った途端にClear Sky に!
めちゃくちゃ綺麗な空だった。
今日はプールを展張してみた。オーストラリアは冬だが、赤道近辺では十分入れるだろう。明日から使用開始だ。
欧米系の海運会社の船には乗組員の福利厚生のため、プールは船建造時から設計図に入っているそうだ。居住区の設備も本船とは桁違いに良いだろう。
いつ欧米系の会社に追いつくことができるのだろうか。。
今日の晩ごはんは夕日をみながらミニBBQだ。アロール海峡通峡のご褒美ではないが、ビールが最高にうまかった。
ポートヘッドランドまであと2、3日だ。気を抜かずに頑張ろうと思った。
バルカー乗船記その16(2018年6月21日:乗船30日目)赤道通過し南半球へ。船はモルッカ海を抜けバンダ海へ
2018年6月20日
船はオーストラリアに向け、順調に航行中だ。赤道に近付くにつれて天気が良くなっている様な気がする。本日フィリピン海を抜け、モルッカ海に入った。フィリピン東部の海域を太平洋だと思っていたが、この海域をフィリピン海と呼ぶ事を恥ずかしながらこれまで知らなかった。
モルッカ海も聞いたことがなかったし、今回初めて通過する。
バルバスバウも快調に波をかき分けていく。海面に顔を出すとやはり抵抗になっている様に見える。
天気が良いためか、海の色がものすごく綺麗だ。もちろん水深や天候にも影響されるが、海域によって海の色が異っていると思う。
機関室巡検中に、発電機の燃料ライン圧力が若干おかしいのに気が付いた。いつものマークより低い。圧力調整弁の点検をしてみよう。
午後になって海面がだいぶん凪いできた。これこれ、この海の表情が素敵だ。しかしかれこれ数十年前に見たインド洋のべた凪はガラス張りの様で非常に綺麗だったが、いつかどこかでまた見て見たい。いや、すぐ見れるだろう。
色々な雲にも遭遇するが、この雲を眺めるのも面白い。雲の形で天気を予測できるが、私はエンジニアなので業務上必要ない。ただぼんやり眺めているだけだ。
夕方になると虹が出た。ほんのりダブルレインボーになっている。洋上では障害物がないので綺麗に見えるが、カメラで撮るとこれ以上引けないのでしょぼい菅名になっているが。。
2018年6月21日
朝、本船は赤道を超えて南半球へ、モルッカ海からバンダ海に入った。見た感じは何も変わらないが、海水温度が高く、機関室で働くエンジニアへのダメージが大きくなる。
学生時代の遠洋航海実習で赤道を初めて通過した時、学校では赤道には色がついていると教わったが、もちろんのんなことはなく、懐かしい思い出である。
昔から赤道を通過するときには祭りが行われていた。乗組員がネプチューンに扮装して海水をかけたりするのだ。貨物船ではすでに行われていなかったが、客船ではお客さまも巻き込んだ大きな祭りであった。
本船の味噌汁は常に煮詰まっているのでしょっぱく、ワカメがドロドロだ。今度チーフコックに改善してもらおう。本船のチーフコックはフィリピン人なのでしょうがないのだが。ちなみに日本人の厨司長はもういない。部員クラスはもう随分前からコスト削減のために日本人からフィリピン人に取って代わられた。
おっ!島が見える!
しかし携帯電話の電波は入らなかった。残念。。
本日はカーゴタンク内の検査だ。懐中電灯以外の光源がないため、真っ暗だ。しかし最近のLEDフラッシュライトは安くて明るい。
カーゴタンクへ行くのにもちろんエレベータなどない。甲板上から十数メートルもある階段を使ってタンク底部まで降りる。揚げ荷役ではグラブと呼ばれる大きな爪の付いたバケツやブルトーザなどを使うため、荒い使い方でタンク内を損傷させてしまうことがある。また、水分が底に溜まるのでそれを抜くためのスペースが鉄鉱石で埋もれてないかなどの確認をする。
ちなみに乗船時には必ずLEDフラッシュライト、BAHCO(バーコ)のアジャスタブルレンチ、細いマイナスドライバー、さしがねを持って乗船している。若い時から使っているいわば愛用品だ。
さあて、昼ごはんだ、おっ!牛丼買っ!む、、あ、甘い。。
午後からはポートヘッドランド入港前のカーゴライトの点検を実施した。甲板上にあるライトに海水や雨が入り、漏電してしまうことがざらにある。また、タマ切れ箇所は事前に交換しておく。
おっとっと、タイミングの悪いことにスコールがやってきた。とりあえず避難だ。
スコールといえば、レインボー。今日は昨日よりダブルレインボーがはっきり見えた。
デッキライトの点検も無事終わり、今日の作業は終了だ。
晩ごはんは鶏団子スープの作り方をチーフコックに教えて作ってもらった。味はまあまあだが、少し硬い。。スープも濃い。。次回に向け要改善だ。
さあて、明日はこの東航路の最大の難所、アロール海峡だ。これを抜けるとインド洋に入り、オーストラリアまで目と鼻の先だ。
ばうのばうすらすたー?(バウスラスター)
冗談ではありません、バウにバウスラスターです。
バウ(Bow)とは船用語で船首のことを表します。ちなみに船尾はスタン(Stren)と言います。バルバスバウにもこの”バウ”という単語がついています。
なので、バウ(船首)にあるスラスター(推力を発生させる装置)のことをバウスラスターと呼び、スタン(船尾)にあるスラスターはスタンスラスターと呼びます。
大型船ではバウスラスターを装備した船が多く、スタンスラスターを搭載した大型貨物船はみたことがありません。
バウスラスターは、バルバスバウのすぐ後ろにある右舷から左舷に貫通したトンネルの中にあり、通常は海面下にあります。
トンネルの中央に羽の角度が変わるプロペラが装備されています。このプロペラの角度が(ピッチ)を変えることで水流を右や左に流し、船首の向きを変える事ができます。
プロペラのすぐ上の船内には巨大な電動モーターあり、このモーターによりバウスラスターは動かされます。
船の推進力となるプロペラは船尾にあるので、船の長さが数百メートルになる船首部分は風や波の影響を受けやすい状況にありますが、船が推進力を持って進んでいるときはその影響はあまり気になりません。船のスピードが遅いとき、特に入出港時に船首部分の動きは船の舵で調整できないので、バウスラスターで方向を調整してやる必要があります。
ただし、バルカーやタンカーなどの巨大な貨物船には基本的にバウスラスターは付いていません。船型が大きくずんぐりしているのでバウスラスターで船首の動きを調整させるためには巨大なバウスラスター必要になる事、および入出港ではタグボートによるアシストがあるのでバウスラスターがなくても特に問題になりません。
こんなにどでーんとしていたら、バウスラスターくらいの小さなプロペラじゃ動きそうにないですよね。
どうでもいい話、お読み頂きありがとうございました!
アクセス数が急に増えた、よくわからないが昨日何かが起きた。。
1月中旬に下船して長期休暇に入り、これまで撮りためた洋上での写真を誰かにみてもらいたくブログを始めました。
昨日で開始20日、投稿記事も30を超えたところで何かが起きた様です。
アクセス解析を見るとこれまでは1日30から50のアクセス数だったのですが、昨日だけで271ものアクセスがありました。
昨日までは、あまり面白くないブログに20名(どうもありがとうございます。)の方々が読者登録をしてくださっていましたが、昨日急に67名増え、現在87名の方が読者登録をして下さっています。
なぜ急に増えたのか謎ですが非常のありがたく、ブログ継続のモチベーションにもなります。今後も船をメインにした記事の投稿を続けていきますが、できれば乗船中にタイムリーな発信ができればと思っています。いちご酢の話がよかったのかな?
引き続きよろしくお願いします!
犬の散歩でカメラを使いこなす練習中(D810+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4 ED VR)
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4 ED VRが修理から帰ってきて、写真を撮りに行きたいが、基本出不精の私が外の寒い冬にいそいそと出かけて行く気にならないのはわかってはいる。しかし3月中旬からの乗船勤務に向け、美しい海や空の写真を撮るために買ったばかりのD810の使い方をマスターしなければならない。
とは言え、毎日の日課である夕方の犬の散歩中にちょこちょこと写真をとっているのでカメラの基本的な使い方は5割くらいマスターしたはずだ。
ISO感度設定は64から6400の間で自動可変、カメラモードはオート、このくらいの設定しか触っていない。ぼちぼち勉強して行くつもりだ。
インターネットで調べると、風景撮影の場合はFは9.0から11.0の間が良いとあるので、頑なにそれを守っている。
フォーサーズ規格のオリンパスカメラからいきなりフルサイズのD810に乗り換えたが、私みたいな素人に毛が生えた程度の人間でも素晴らしいと思わせる写真が簡単に取れてしまう。
散歩中に突然、飛行する鷺と出くわした。カメラの設定はそのままで撮影したので、高感度機にありがちな手振れ写真になっているかと思いきや、綺麗に取れていた。VRをONにしておいたが、なかなか優秀である。
瀬戸内沿岸の田舎町だが、自然や動物にあふれたいい街だ。
しかし、これらの写真は基本設定から何一つ変えていない、まさにコンパクトデジタルカメラと変わらない??
やはり写真撮影に積極的に行かなければならないと思った。。船に乗る頃には使い慣れているだろうか。。
いちご酢、飲んで見ました!
いちご酢を作って冷蔵庫の中に保存し、2日間たちました。氷砂糖も完全に溶けましたので、早速飲んでみました。
まず香りですが、穀物酢の匂いがほのかにしています。まずそのままレンゲ1杯分を飲んでみました。ん?穀物酢の匂いは少ししますが、穀物酢の味はほとんどせず、甘くて酸っぱい液体になっていました。いちごの味は若干するかな?程度です。
穀物酢をそのまま飲むより断然飲みやすい。
ただ、原液だと濃いので、炭酸水で割って飲むことにしました。
レンゲ2杯分を氷を入れたグラスに入れ、炭酸水を注いで混ぜます。
かき混ぜるとほのかに赤い炭酸ジュースっぽく見えます。
味は。。。うん、飲める飲める。全然いけます。妹曰く「少し酢の味がするけど、病みつきになりそう。」とか言っています。
いちごを食べてみました。入れる前の少し固い食感はなく、だいぶん柔らかくなっています。味も酢臭くなく、普通に食べれます。
次男(中学2年生)は、酢の匂いと味が少しするとかでそんなに美味しいものではないと言っています。
まあ、年をとると味覚も変化してくるので、アラフォー以上の人は普通に飲めるかもですが、若干穀物酢の匂いがするので、次はリンゴ酢を使って作ってみたいと思います。
これで血圧が下がるか、継続していきたいと思います。
そういえば冷蔵庫の中にザクロ酢があったな。。
バルカー乗船記その15(2018年6月19日:乗船28日目)今日は船上デッキビリヤード大会
今日は船上デッキビリヤード大会の日だ。天気もまあまあで、雲が若干あるので日差し避けになってちょうど良いだろう。絶好の大会日和だ。
デッキビリヤードは2人1組のチーム同士が対戦する競技で、木のステッキで木製パックを決められたサークルに順番に入れていき、制限時間内に最終ゴールに両者が入るか、または制限時間経過時に先に進んでいるチームが勝ちとなる。
この競技は私がこの会社に入る前から存在しており、少なくとも半世紀以上の歴史がある。日本人が考案したスポーツだが、現在所属している船員の9割が外国人にも関わらず各船でプレイされているようだ。
デッキビリヤード会場は居住区周辺の両舷の広いスペース(2面)に設けられている。
天候も良く、南国チックな雰囲気だ。雲が少し少ないので日差しが肌に刺さる。ゲームはトーナメント制で1位から3位までは商品があるので、みんな本気でプレーしている。こちらも負けてはいられない。ちなみにこれまでまだ一度も入賞したことがない。
昼ごはんを挟み、午後も白熱したゲームが続く。今日は当直航海士業務および機関士当番業務以外は休みだ。
船橋にお邪魔してみた。当直航海士、業務お疲れ様です。通常は3名の航海士が4時間づつの3直制で公開当直をしているが、この日は船長以下手すきのものがゲームにあわせて当直に入る。
久々にいい天気で気持ちいい。前からの風だし、陸岸からかなり離れているので不純物なし100%天然、海の香りだ。ああ、なんて贅沢なんだろうと思う。
夕方ゲームが終了、今回も入賞できなかったが次回入賞への足がかりとなる経験を得た。パートナの経験値もかなり重要なので、こればかりは運だろう。
ゲームの後はお待ちかねの打ち上げパーティーだ!
本船は危険物運搬船ではないので、甲板上でBBQが可能だ。海をみながらのBBQは最高だ。これがタンカーなどの危険物を積載する船だと甲板上に可燃性ガスが出てくるので生火厳禁だ。
本船は日本人とフィリピン人との混乗船であるが、クリスマスなどの重要な祝日はレチョンといるフィリピンの郷土料理の豚の丸焼きが出てくる。
そんな日は朝から串刺しにした豚を炭火の上で油を塗りながら回し、半日かけて焼き上げる。そのレチョンはしばらくお預けだ。
表彰式ののち、沢山の料理とビールを夕日を見ながら乗組員たちと楽しんだ。1航海に1回(ポートヘッドランド→中国→ポートヘッドランドの1往復)の楽しみだが、乗組員たちは鋭気を養ってくれただろう。明日からまた仕事頑張ってネ。
バルカー乗船記その14(2018年6月18日:乗船27日目)フィリピン東海域に到達、バラスト水交換作業開始
出港して2日目、天候は幾分良くなったが、風が強い。
今日の朝ごはん。ベーコンがベーコンでない感じがする。納豆も日本のものと食感が異なる。まあ食べれないことはないか。でも米を何とかして欲しい。日本人は米が命。
船首のバルバスバウが力強く海をかき分けて走る。
海の色がだいぶん鮮やかになってきた。そろそろ黄海を抜け、東シナ海に入る頃だろう。靄もなくなった。与那国島の脇を航行したが、携帯の電波は2時間くらいしか繋がらない。
そろそろ昼ごはんか。炊き込みご飯は見た目ほどまずくない。魚はちょっと。。。
こんな時用にプリッツ買ってみました。日本には売ってない味です。
出港3日目、朝から雨だ。いつになったら快晴の空を拝めるのだろうか。
毎度おなじみ朝ごはん。定番メニューを出してくれればそれなりに食べれる。
機関室には色々な省エネの工夫がされている。主機関からでる排気ガスはその温度が400℃近くあり、それをそのまま大気に捨てるのは勿体ない。
そこで煙突の中に水が通っているパイプがあり、そこを高温の排気ガスが通る事で水が蒸気になるという仕組みだ。この装置を排気ガスエコのマイザーと呼び、この装置で発生した蒸気を使って主機関や発電機で使用するドロドロの燃料油を加熱してサラサラにしたり、厨房の料理用の蒸気や居住区の温水の熱源とかに利用している。
排気ガス内にはススが含まれるので、排気ガスエコノマイザー内の水が通るパイプがススで汚れ、蒸発量が落ちてくる。そのため、1日1回パイプに付着したススを蒸気でふかしてやらないといけない。こんな黒い煙を毎日大気に放出している。
結構黒いススがでてくるが、大洋航海中は大気に排出しても問題ない事になっている。
今日の昼ごはんはラーメンだ。ラーメンの出汁はボトルに入っている既製品を使っているようだが、なぜスープがこんなに黒くなるのだろう?なんとか食べれる味だ。
肉まんはもちろん日本のものではないので、餡が不思議な味がする。中国の肉まんはこのような味なのであろうか?
出港して3日目、本日からバラスト水入れ替え作業が始まる。
船が空船の時は空っぽの大きな容器を水の上に浮かべた状態と同じなので良く揺れる。そのため船のバランスをよくするためにバラストタンクと呼ばれるタンクに海水を張り込みどっしりさせてやる必要がる。したがって中国で荷役中に中国港内の海水をバラストタンクにたっぷり張り込んで現在航行している状態だ。
ところが大陸沿岸の海水には色々な海洋生物や病原体(?)などが含まれ、この海水を違う国の海域で排出するとその国の生態系が崩れるなどの理由から、沿岸から200マイル(約370km)離れた海域で海水を張り替えないといけないという国際条約が批准されてしまった。このオペレーションが効果あるのかよくわからない。
タンクを空にして入れ替えるよりも、甲板上のマンホールをあけ、ポンプで海水をタンクに張り込みオーバーフローさせて入れ替える方が時間的に早い。そのため、この2日間は甲板上は海水だらけとなる。
中国を出港して4日目、フィリピンの東岸海域まで来た。今のところ台風の発生もなくまあまあの海象条件でここまで来ることができた。
バラスト水の入れ替えは連続して行われている。バラスト水を送るポンプは巨大で、このポンプを動かすために発電機を運転しなければならない。国際条約のおかげで余計な燃料を使わなければならない。
主機関は順調に動いている。信頼性の高い主機関でこちらとしてはありがたい。主機関の整備は運転時間をベースに実施されるので、主機関の運転時間は1時間単位で記録している。1ヶ月の運転時間は約500時間、片道約10日間連続運転している。
今日の昼ごはんはついにチーフコックに自分から教育的指導を入れてしまった。
まずそうめん、いつも早く茹でてそのまま置いているので団子状になっていた。今日から氷水の中に入れて出すようにお願いした。あと、おにぎりを知らなかったので作り方を教えた。これでレパートリーが少し増えるかな?
午後から急激に発達したものすごい雨雲に襲われた。急いで居住区に戻ろう。直後にスコールに見舞われた。
明日は船内レクリエーションの日だ。若手が忙しく準備をしている。
おっ!今日はカツオの刺身か。あまり鮮度はよくないが贅沢は言っていられない。ビールでも飲みながらいただいた。
夜中に機関室の警報が鳴りませんように。
いちご酢作りに挑戦!
先日テレビでいちご酢についてやっていた。
いちご酢は高血圧、中性脂肪、コレステロール、便秘に良いとか。味もまろやかになって飲みやすいそう。
毎日大さじ1杯のいちご酢を飲むとウエストも−9センチ減ったとか。
血圧もだいぶん高くなり、病院の先生にはそろそろ血圧を下げる薬でも飲みますかとか言われ出したし、中性脂肪も高い。
いちご酢の作り方は簡単だし、ちょっといちご酢作りをチャレンジしてみた。ってか、簡単だし。
まず昔IKEAで買ったガラス容器、いちご、氷砂糖、穀物酢を準備した。
まずいちごを水洗いし、ヘタを取って瓶に入れる。その後、氷砂糖250グラムを同じく瓶の中に入れる。
そこに500ミリリットルの酢を投入。
一日経ったものがこちら。1日数回上下に振り撹拌します。氷砂糖はほとんど溶けている。明日飲んでみよう。穀物酢で大丈夫かな?
バルカー乗船記 その13(2018年6月14日:乗船23日目)一路オーストラリアに向け出発!
揚げ荷役も無事終了し、6月14日早朝中国の日照市からオーストラリアのポートヘッドランドに向け出港した。バラストバック航海(空船航海)はフィリピン東の太平洋を南下する航路でポートヘッドランドに向かう。
黄海は心なしか天気がどんよりしている気がする。スカッと晴れ渡った青空、穏やかな海を早くみたい。
今日の朝ごはんである。卵焼きに秋刀魚の干物だ。船では焼き魚の半身がよく出るが、朝から1匹丸ごとは豪快すぎる。身もパサパサしていた。
朝の仕事前ミーティング後、甲板上を歩く。あーあ、揚げ荷役でこぼれた鉄鉱石があちらこちらに散らばっている。
続いて船首部に向かった。
満船状態だと海面下にあった船首のバルバスバウが顔を出している。錨泊中の船の振れ周りで錨鎖がバルバスバウに接触し、ペイントが剥離しているのが見える。
甲板上の消火栓を開け、海水を噴出させて甲板上に散らばっている鉄鉱石の洗い流しを開始した。
さあて、昼ごはんだ!
むむ?オム巻きにチキンのはさみ揚げか?オム巻きの中は野菜だ。ヘルシーだが味はこれまで体験したことのない味だ。ソースのせいか?
主機関も快調に回っている。
Main Engine for Bulk carrier (View from AFT)
午後は天気もよくなったが、相変わらす霞んでいる。黄砂の影響なのだろうか。。
早く黄海を抜けよう。何もないので記事としては面白くないかな。
バルカー乗船記その12(2018年6月13日:乗船22日目)日照市、上陸できません!
2018年6月10日、ようやく本船は揚げ荷のために着岸のした。ここら一帯はバルカー専用岸壁のようだ。
港のセキュリティー問題のため、上陸は不可能とのこと。目の前に街が見えるのに残念だ。沖売り業者が本船で土産物を販売するので、必要なものはそこで買おう。
着岸後、しばらくして荷役が始まった。鉄鉱石を全て揚げるのに3日くらいはかかるだろう。
さて、機関部作業では清水冷却器の掃除を開始した。約180枚のプレートを掃除していく。清水で汚れを洗い流す。清水冷却器のがないと主機関が使えないので早急に復旧しなければならない。徹夜で作業だ。
停泊2日目は燃料油の補給だ。入港1週間前までに燃料補給量を会社に連絡している。1航海の予想燃料消費量を計算し、それにマージンを加えた量となるが、燃料計算をミスると船が港まで走れなくなるので、慎重に何回も計算している。
補給する燃料も半端ない量で、今回は1,700トンを補給する。1日がかりの仕事だ。燃料油を漏らすと大問題なので、燃料油補給は気を遣う。
荷役も3日目に突入。機関部の重要整備作業は終わった。上陸できる時間はあるのに残念だ。
今日のお昼はうどんか。このめんにコシがなくあまり美味しくない。食料は中国でしか取れないから日本製品が手に入りづらい。調理方法でごまかすしかない。(涙)
しかしこのかまぼこはスカスカだ。
この港はグラブで鉄鉱石を掴んで搬出する荷役スタイルなので、やはり時間がかかってしまう。
今日の晩ごはん。なんだ?この組み合わせは??おでんだけで充分な様な気がする。なぜか元気が出ない。。
船のごはんがこうだとやっぱり間食するよね。しかしなぜかプリングルスだけ、中身がバキバキになっている。他乗組員に聞いたがやはりそうだとの事。不思議。
荷役は夜通し続く。明日夕方には終わりそうなので、出港は明後日の朝になるだろう。
ようやく荷役も最終日。だが、朝からいきなり濃霧で荷役が一時中断した。
10時過ぎには霧も晴れ、荷役が再開された。対岸にはコンテナターミナルもあるようでかなり大きな港だ。中国政府の精力的な港湾開発で、最近の中国の港は大きくて、綺麗になっている。
本船の前にギリシャのバルカーが着岸した。本船の喫水は揚げ荷でだいぶん足が上がっているが、入港時はこの船の様だったはずだ。
外をぼんやりと眺めていると、1隻の出港船があった。煙突が黒いがどこの会社の船だろう?インターネットで調べてみた。
船名:DADONG EXPRESS
船籍:パナマ 総トン数(G/T):43,661T 全長:197.91m 幅 :32.2m 船種 :ウッドチップ船 竣工:1989年
紙の原料となる木材チップを輸送する船だ。船齢が30才とかなり高齢な部類になる。いつかどこかでア出会いたいものだ。
荷役も着々と進んでいる。明日朝の出港はまず間違いないだろう。
元々はフィリピン人乗組員で運航していた船らしく、日本の食器がない。ごせめてはんの器は日本のものが欲しい。(涙)
さあ、明日は出港だ。上陸もできなかったし、とっとと出よう。
バルカー乗船記その11(2018年6月乗船19日目)エンジンが冷えない(オーバーヒート?)
ようやく錨地に到着し、一段落した。少しもやが掛かっているが天気は悪くない。海水温度もまだ高くなく、中国北部はまだ涼しい。
オーストラリアのポートヘッドランドから、ここ中国の青島沖まで約3,600マイル(6,667km)を約13日間かけて走ってきた。
船が止まっているときは機関室の機器がほぼ止まっているので、このタイミングでしかできない整備作業を一気にやってしまおう。
スールー海に入域した時に主機関の出力を全開にしたが、主機関の潤滑油温度がジワジワと上がっていた。上がりすぎると主機関保護のため、トリップ(緊急停止)してしまう。危険海域の中でトリップしたら目も当てられない状況になりかねないので、ヒヤヒヤした。
清水冷却器は2台ついており、海水温度が32℃まで上がっても冷却清水温度が36℃を保つように設計されているが、汚れのためか42℃まで上昇した。海水側のつまりが予想されるので海水パイプを取り外し内部を点検した。
ハワッ!フジツボが付着している。。。(中身はなく、殻だけ)
海洋生物が付着しないように海水取り入れ口から塩素を注入しているので、基本海洋生物が海水ラインで成長することはないのだが、何かおかしい。もしかすると清水冷却器も汚れている可能性がある。
錨地にいる間はいつ動き出すかわからないので、清水冷却器の掃除は時間がかかるためできない。そのため、海水パイプの掃除のみを実施した。着岸後は荷役終了するまでは基本動かないので、着岸後に清水冷却器の掃除をすることとした。
さあて、腹ごしらえと。本船のチーフコックは人は非常に良いが、日本食の腕はもう少しだ。自分から日本食を教えて教育して行くしかない。
なんだかんだで、結局錨地には5日間滞在した。この間にあらかたの予定整備作業は終了することができた。この5日間は霧が出たり晴れたりと忙しい天気たっだが海象状態が穏やかだったのは助かった。
さあて、明日は着岸だ。上陸できるかな?
一眼レフカメラのレンズ、治りました!
洋上ですれ違う外国航路の船たち その2(2011年8月 シンガポール)
仕事の関係上6年間シンガポールに駐在していたが、その時は現場に出ることが多く、色々な船を見ることが出来た。シンガポール錨地に船がいる場合、通船で船に行くことになるが錨地にいる船の間を縫って走るので大型船を近くで見ることができる。対岸にはMAERSKのコンテナ船や自動車船が荷役を行なっている。異なる船が顔を合わせて停泊しているこの姿や組み合わせはもう2度と見ることは出来ないと思うと、非常に貴重だと個人的には思う。
シンガポールは自動車のトランジット港(東南アジアとヨーロッパの中継港)なので、自動車運搬船の寄港が多い。ネットからこの船の要目を調べてみた。ちなみに自動車船はPCC(Pure Car Carrier)とも呼ばれる。
船名:JINGU
船籍:パナマ 総トン数(G/T):42,164T 全長:195.54m 幅 :28.8m 積載能力 :4,500RT 竣工:1992年
総トン数とは簡単にいうと船の重さを表し、積載能力(RT)とは世界のコロナをベースとした台数で、JINGUの場合4,500台運搬できる。まさに海の巨大駐車場だ。
竣工が1992年、現在も稼働中のようなので船齢は27年とかなり高齢となる。船型も今の主流の船型とは異なり、古めかしいが懐かしさを覚える。
荷役中のMSCのコンテナ船。船上構造物が2箇所あるので、船の大きさは10,000TEU以上だと思われる。iPhoneで撮った写真なので、解像度が悪く、船名が確認できない。
沖の方に出ると、錨泊している船がうじゃうじゃといる。
シンガポールはその地形の理から海運関係企業が多く、また船もシンガポールで燃料や船で使う道具(船用品)や部品などを補給する。また、荷物が取れるまでここで待機したりする。
また船がうじゃうじゃいるので燃料を船に供給する船(バンカーバージ)も大きいのから小さいのまで多数存在する。
なので、シンガポールの錨泊船の数は景気のバロメータとなっている。
燃料を補給中(バンカー中ともいう)の日本郵船運航のCHALLENGE PROSPECTだ。このようにバンカーバージが本船に横付けし、バンカーバージからの燃料パイプを本船側の取り入れ口に接続し燃料を補給する。
船では主にA重油およびC重油と呼ばれる燃料を使用している。中東などから輸入した原油を蒸発させると最後に残るドロドロの残りカスが出るが、このドロドロの残りカスを原料としている。
そのドロドロした油をC重油として使用しているが、常温では固まってしまうので、船では130℃くらいに加熱するとサラサラとなるのでそれを使っている。
A重油はもう少しいい燃料で軽油に近い感じ、常温でもサラサラしている。それらをバンカーバージがタンクに張り込み、本船に補給している。
価格はA重油の方が高いが、リーマンショック以降A重油およびC重油ともに高騰が続いており、「油の一滴は血の一滴」は言い過ぎだが減速運転など燃料消費節減に懸命に取り組む現在である。
さあて、そろそろお家に帰ってビールを飲もう。